全国バス時間表(時刻表)日本観光出版 昭和38年8月号

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全国バス時間表(時刻表)日本観光出版 昭和38年8月号という時刻表がヤフオクに出品されていたので落札してみた。
フェリー、鉄道、飛行機、自転車と乗り物は好きだが、バスはあまり興味がない。
ただ昔の国鉄バスに興味があり、どんなもんかと眺めてみた。
なお、国立国会図書館には所蔵されていて、1号 (1963年7月)~ 17号(1964年11月号)まで所蔵されている。一方「バス時間表」(弘済出版社)というのも1号 (1964年5月)-3号 (1964年7月)まで所蔵されている。ここからは推察だが、弘済出版社に同じようなバス時刻表をだされて、共倒れでどちらも休刊になった模様。
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巻頭の地図も、普通の時刻表であまり目立たないバス路線が、赤線で目立つので、違和感たっぷり。
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バス時間表(時刻表)をうたっているが、飛行機や航路や私鉄の時刻表も掲載されている。
日本交通公社(現JTB)や弘済出版社(現交通新聞社)の大判全国時刻表の後半ページを詳しくしたようなもの。
興味深いページを中心に見てみたい。
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釧路臨港鉄道や雄別鉄道や旭川の市内電車の時刻が載っている。
また根室~中標津に3時間かかってバスが1日1往復しているなど時代を感じさせる。
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左ページの「歌登町営軌道」はバスではなく鉄道だと思うが、鉄道マークがない。
また、陸の孤島として雄冬航路は私が大学生のころまで残っていたが、ほかに浜益航路の記載もある。(1965年に航路終了らしい)
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北日本航空という聞きなれない航空会社の航空路が掲載されている。
のちに東亜国内航空の母体の一つになった航空会社らしい。
今の北海道エアシステムにちかい感じ。
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廃止直前は、1日1運行(1往復ではなく、下りだけ1運行のみ)という、国鉄清水港線(1日1往復で有名だった)も真っ青な運行をしていた寿都鉄道も、このころは3往復とまともに運航していた模様。
フェリー好きには、函館大間航路が、片道だけ佐井を経由しているのも興味深い。
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この時間表(時刻表)は、鉄道のマークが載っていない場合も多く、わかりづらいが、右ページには南部鉄道、南部縦貫鉄道、松尾鉱山鉄道など、廃止された地方私鉄が載っている。
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九十九里鉄道で本須賀線と白里線に鉄道のマークがあるが、本須賀線は1961年に鉄道廃止だし、白里線は、もともとバス路線で鉄道だったことはないはず…
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東武鉄道が掲載されているが、熊谷線は路線名が載っておらず、大師線は「西新井大師線」と間違えて記載されている。
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西武鉄道も聞きなれない路線名が載る。ただし、例えば「玉川上水線」は、今の拝島線だが、全通前なので「上水線」が正しい名前だったらしい。
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広告も興味深いが、広告に埋め尽くされたページの片隅に、軽便鉄道の草軽電鉄がさりげなく載っている
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東野鉄道、上武鉄道など。このころに旅できる年齢で生まれたかったと思うのは、こういう昔の時刻表を眺めていていつも思うこと。
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はとバスのコースも掲載されていて、右端には、皇居、羽田空港、鎌倉、江の島と欲張りなコースも。
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こちらは、夜のはとバスコース。
「ネオンコース」や「ボーリングゴルフコース」などイマイチ意図がよくわからないコースも。
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鉄道マークがあいかわらずないが、伊豆急行の時刻。
沼津港から色々な航路があるのも興味深い。
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右下に東京北海道航路が載っている。
また東海汽船の伊豆諸島航路も。
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同じく右ページに東海汽船の航路。今みたいに三宅島経由八丈島行ではなく、日によって三宅島行きと八丈島行きが交互に出ていたのがわかる。
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名古屋鉄道(名鉄)各路線。名鉄は廃線になった路線が多いなあ。
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北恵那鉄道や東濃鉄道の2路線など魅力的な路線が並ぶ。
左ページの木曽福島~上高地のバス路線も1:50発4:50着の夜行バスなど興味深い。
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今は2路線しか鉄道線がない北陸鉄道だが、この右ページのように、昔は様々な鉄道路線が走っていた
(最初、鉄道マークがないので、バス路線の時刻かと思ったが、どうもすべて鉄道路線の時刻の模様)
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京福電鉄(現在のえちぜん鉄道の路線)もしかり。
lこちらは鉄道マークがついているため、バスとの見分けはつきやすい。
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右ページは三重のローカル私鉄。
三重交通は今の近鉄路線だが、ところどころに廃止された路線も見受けられる。
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南海電鉄の鉄道、バス、航路。
白浜へ南海電鉄直営の航路があるのが珍しい。
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南海本線が、航路(のマーク)になってしまっている。
高野線(の汐見橋線)が住吉原(本当は住吉東)など、間違いが多い。
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現在日本最長の路線バスである奈良交通の新宮行きバス。
当時はさらに長く奈良大仏前から(今の起点の)八木駅前を経由し新宮に向かっている。
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今は一航路一往復(大阪~別府)しかなくなった関西汽船だが、この当時は沖縄航路も含めて数多くの航路を手掛けていた。

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今は水島臨海鉄道しかない岡山県の私鉄だが、左ページには私鉄が元気に走っている。
右下の倉敷市交通局(今の水島臨海鉄道)には、鉄道マークがないが、備考に「他 バス78往復運転」とあるので、載っている時刻は鉄道のものと思われる。
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ほぼ見開き2ページとも瀬戸内海航路。しまなみ海道ができて、廃止された航路も多い。
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防石鉄道や井笠鉄道の3路線が載っている。
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高知県内の時刻だが、左下には高知県内発着の夜行航路(あしずり汽船)、右側には高知22:40発、甲ノ浦3:35着の夜行バスなど今では考えられない夜行便が載っている。
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同じく、高知23:30発、宿毛6:00と同じ県内発着の夜行バスがある。
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下関~釜山の航路といえば関釜フェリーだと思っていたが、この頃九州郵船が運行していたんだ。
ウキぺディアだと「しかし、1945年の第二次世界大戦の敗戦に伴い日本が朝鮮半島の統治権を失って以降、大韓民国の成立や朝鮮戦争を経て、20年以上にわたってこの区間の定期的な海上交通は基本的に途絶えた」となっているのだが…
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長崎の端島(通称軍艦島)への定期航路が載っている。
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ここから国鉄バス。今はほとんど路線バスから撤退してしまった国鉄(JR)バスだが、当時は鉄道路線の補完として様々な路線が運転されている。
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奈良交通が有名だが、この頃は国鉄バスも紀伊半島縦断の五条~新宮路線バスを走らせていたらしい。
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最後に航空路。
大阪~白浜~串本~志摩~名古屋航空路だの、大阪~新居浜~別府航空路など、そもそも空港はあるのかという路線が載っている。

なかなか楽しめる時間表(時刻表)なので、国立国会図書館が近い方は、閲覧してみては。


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