全国フェリー旅客船航路時刻表

フェリー専門の時刻表としては、日刊海事通信社が1970年代後半から2017年まで40年近く年2回刊行していた「フェリー旅客船ガイド」(途中改題あり)が唯一だった。
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ヤフーオークションで、フェリー黎明期(1970年代前半)の時刻表がたまに出品される。
タイトルはよく似ているが、現代交通出版社という別の出版社発行。

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今年1月に2点出品されて、入札に参加してみたが、想定より遥かに高く、65000円(左の1973年下期版)、30500円(右の1972年上期版)で落札されていた。
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昨年に1972年下期版が出品されていたが40000円代後半、同時出品されていたポケット版1972年上期版も41000円で落札されていた。

さすがにこんな値段出せないが、所有しなくても読んでみたくて、ふと思いついて国会図書館のオンライン蔵書検索で検索してみた。
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国会図書館に1972年上期版が所蔵されているが、国会図書館は貸出が出来ないのでじっくり眺められないなあ。

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国会図書館の検索で、他の公共図書館の所蔵もみられる。
名古屋市図書館が国会図書館より多い3冊所蔵していたが、
貸出は愛知県民か愛知県通勤通学者のみ。
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愛知県図書館も1冊所蔵(愛知県の図書館は物持ち良いなあ)。
愛知県図書館の利用者案内を見ると、貸出について愛知県民限定の記載が見当たらない。
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岐阜小旅行の途中で名古屋を通るので、名古屋にある愛知県図書館に立ち寄ってみた。
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東京の住所の身分証(運転免許証)で難なく愛知県図書館の利用カードが作れ、書庫から出してくれて館外貸し出しもできた。(返却は郵送可)
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実物を借りて初めて気づいたが、大きさがてっきり「フェリー旅客船ガイド」と同じサイズ(鉄道時刻表と同じA5)と思っていたが、一回り小さいサイズだった。
他の比較の為重ねておいてみたが、上から
①ポケット版 フェリー旅客船時刻表(現代交通出版社)1972年上期版
②フェリー旅客船時刻表(現代交通出版社)1973年下期版←今回借りた本
③フェリードライブ(JAF出版社)1972年版
④全国フェリー旅客船時刻表(日刊海事通信社)1978年下期版
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④全国フェリー旅客船時刻表(日刊海事通信社)がその後2回の改題を経て40年近く刊行されるフェリー専門時刻表で、JTB時刻表やJR時刻表と同じサイズ。
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今回借りた②フェリー旅客船時刻表(現代交通出版社)は④とタイトルが似ていて、監修者や編集者が同じだったが、④より一回りサイズが小さい。同時期に刊行されていた③フェリードライブ(JAF出版社)に近いサイズ。
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なお、同じ会社から①ポケット版 フェリー旅客船時刻表(現代交通出版社)が刊行されていたが、意外とサイズ差が小さい。
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①ポケット版 フェリー旅客船時刻表(現代交通出版社)の阪九フェリー神戸航路の頁
地図も含めかなり簡略化された内容
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②フェリー旅客船時刻表(現代交通出版社)1973年下期版の阪九フェリー神戸航路の頁
④より一回り小さいサイズながらかなりの情報量を記載
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③フェリードライブ(JAF出版社)1972年版の阪九フェリー神戸航路の頁。
他に比べ、航路図を外し、掲載情報を取捨選択した内容。
一方で観光コメントがある。
これだけ2色刷りであるなど一般読者を意識した紙面構成。
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④全国フェリー旅客船時刻表(日刊海事通信社)1978年下期版の阪九フェリー神戸航路(ただし苅田航路)の頁
情報量フルスペック。ただしどの航路も同じ形式にするため空欄が目立つ航路もある。

書誌情報からフェリー専門時刻表の流れを、わかる範囲で、自分なりに整理してみた。
フェリー書誌一覧2

・てっきり現代交通出版社→日刊海事通信社につながると思ったら、「全国フェリー便覧」(日本フェリー協会)というのがあり、判型やページ数はこちらが近い(神戸大学海事科学分館のデータだと、「全国フェリー旅客船時刻表」の前誌記載あり))
・また「全国フェリー時刻表」なるものも国会図書館に所蔵されていて、こちらも判型やページ数、編集者、著者が類似している。
・「ポケット版全国フェリー旅客船時刻表」は、全国の図書館に見当たらず、たまたま自分がもっているのと、過去にヤフオクに出品されたのが、同じ1972年上期版。もしかすると継続刊行ではなく、1度だけ刊行されてそのあとは刊行されなかった可能性高い。
・日刊海事通信社刊行分以外は、いったい、いつから刊行されて、いつ廃刊になったのかも書誌が不完全でよくわからない。

神戸大学海事科学分館が閲覧できればよいが、現在部外者は閲覧できない。
そのうち国会図書館の「全国フェリー時刻表」だけでも閲覧してみよう。


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