フェリー専門時刻表(全国フェリー利用便覧/全国フェリー時刻表/全国フェリー・旅客船航路時刻表/全国フェリー・旅客船時刻表/全国フェリー・旅客船ガイドなど)について

以前の記事でフェリー専門時刻表の流れを、わかる範囲で、自分なりに整理した。

フェリー書誌一覧2

その時点で下記の疑問などが発生

①てっきり現代交通出版社→日刊海事通信社につながると思ったら、「全国フェリー利用便覧」(日本フェリー協会)というのがあり、判型やページ数はこちらが近い(神戸大学海事科学分館のデータだと、「全国フェリー・旅客船時刻表」の前誌記載あり))
②また「全国フェリー時刻表」なるものも国会図書館に所蔵されていて、こちらも判型やページ数、編集者、著者が類似している。
③「ポケット版全国フェリー旅客船時刻表」は、全国の図書館に見当たらず、たまたま自分がもっているのと、過去にヤフオクに出品されたのが、同じ1972年上期版。
 もしかすると継続刊行ではなく、1度だけ刊行されてそのあとは刊行されなかった可能性高い。
④日刊海事通信社刊行分以外は、いったい、いつから刊行されて、いつ廃刊になったのかも書誌が不完全でよくわからない。

その後国立国会図書館所蔵の「全国フェリー時刻表」と神戸大学図書館海事科学分館所蔵の「全国フェリー利用便覧」を閲覧したので再度流れを整理した。

書誌一覧
<調査結果>
国会図書館の
「全国フェリー時刻表」と神戸大学図書館海事科学分館所蔵の「全国フェリー利用便覧」は同じ本だった。
奥付をそれぞれ確認したところ
1972年「全国フェリー利用便覧」(編集・発行:日本フェリー協会 製作販売取扱:海交社)
1974年「全国フェリー利用便覧」(編集:日本旅客船協会 発行:海交社)
1975年「全国フェリー時刻表(全国フェリー利用便覧)」(編集:日本旅客船協会 発行:海交社)
1976年「全国フェリー時刻表(全国フェリー利用便覧)」(編集:日本旅客船協会 発行:海交社)

タイトルや発行元が微妙に変化しており、神戸大学の書誌は1972年、国会図書館は1975年をもとに記載されているため、まったく別の本の書誌とよみとれてしまった。

なお発行の海交社の住所が、そのあとの「全国フェリー・旅客船時刻表」~ 「フェリー・旅客船ガイド」と40年間フェリー専門時刻表を刊行していた日刊海事通信社の関西支局と住所が同一のため(1978年版奥付記載)、神戸大学の書誌に記載の通り「全国フェリー利用便覧」が「全国フェリー・旅客船時刻表」 の継続前誌にあたると推定できる。

以上で流れが判明しすっきりしたと思ったら、ちょうど調査していた頃にヤフオクに「全国フェリーボート利用便覧」(編集・発行:日本自動車航送船協会)1966年刊行が出品されていた。30,000円近くの落札価格で、とてもではないが入手できなかったが、編集:発行名からしても、「全国フェリー利用便覧」のさらに継続前誌と思われる(ちなみに長距離フェリー開設前の時代の為、掲載は短距離航路のみのよう)。
1972年版「全国フェリー利用便覧」の編集:発行の「日本フェリー協会」について、国会図書館関西館に所蔵されていた「長距離フェリーの30年物語」(発行:名門大洋フェリー 非売品)に『昭和37年7 月日本自動車航送協会 昭和45年6月日本フェリー協会に名称改称 中短距離36社が会員 昭和49年10月解散』の記述があった。
なお、残念ながら「全国フェリーボート利用便覧」は国会図書館や海事図書館や神戸大学図書館、その他検索したが、所蔵されているところはなかった。


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