カウンセラーの女性と、ある事件で眠れなくなった刑事。
カウンセリングを通じてお互い恋愛感情を持つが、「患者の恋愛転移」ではないかと悩む。
1話目でいきなり恋人になってしまうところが、唐突で違和感を感じたが、その後読ませるつくりになっている。
カウンセラーの女性が、いじいじと悩んだり拘ったりするところ(刑事が昔の女性に携帯番号を教えていたことをこだわったり、その昔の女性と同じ服を買ってきてしまうところなど)が、「そんな考え込まんでも」と思ってしまう。また結局それぞれが、幼児の時の体験があって相手に好意を持ったというのも「そんなもんかいな」と思ってしまった。
でも、よく出来た大人のおとぎ話。
ジェノサイド(未読)が評判の作家さんだが、一風変わった物語。
この作家さん、「6時間後に君は死ぬ」という短編集を読んだことがあって、結構気にいったなあ。
コメント